ここ最近、新型コロナなどでネット需要も増え、企業などでもECサイトを立ち上げる会社も増えてきました。
それと同時に社内でデザインを完結させるために必要とされている「インハウスデザイナー」
一方、企業から依頼を受けてデザインを請け負う制作会社や広告代理店のデザイナーがいます。
そこで、仕事を選ぶ際に「制作会社かインハウスデザイナーのどちらがいいのか?」とか、初心者でこれからデザイナーとして働きたい時に、インハウスデザイナーの求人があった場合に「自分でもできるのか?」と悩んだりすることもあるでしょう。
そこで今回は、インハウスデザイナーも制作会社のデザイナーも両方経験したボクが、
インハウスデザイナーについての特徴やメリットなどを書いていきたいと思います。
悩んでいる方や気になってる方は参考にしてみてください。
・インハウスデザイナーか、制作会社のデザイナーのどっちでやっていくか迷っている人
・未経験だけどインハウスデザイナーの求人があり応募しようか迷っている人
インハウスデザイナーとは?

インハウスデザイナーとはある企業に属して、自社の製品、サービスなど全般にわたるデザインを手掛けるデザイナーのことを指します。
例えば、自社で販売している製品の広告や紹介ページ(ランディングページ)を作ったり、自社のホームページのデザイン、自社にサービスやホームページに誘導するバナーなどを作ったりと自社に関するあらゆるデザインを携わるデザイナーのことをインハウスデザイナーと言います。
制作会社のデザイナーとの違い
一方、制作会社や広告代理店で働くデザイナーはクライアントから仕事の依頼を受けて、依頼内容に基づいてデザインを行います。
制作会社にもよりますが、手掛けるデザインは業種が違うだけで、ほぼ同じ場合が多くなります。(チラシ広告の会社に属していれば、ほぼチラシ広告の制作)
インハウスデザイナーのメリットデメリット

次にインハウスデザイナーのメリットとデメリットに関して説明していきます。
ボクは現在インハウスデザイナーとして働いていますが、以前は制作会社でも働いていたので両方を比べてみてのメリット、デメリットを挙げてみたいと思います。
インハウスデザイナーのメリット
じっくりデザインに向き合える
制作会社と違って、デザインを一度作成したら終わりではありません。
一度作成したデザインでも、再度練り直したりブラッシュアップしたりと長いスパンで取り組むこともあり、それと同時にデザインの成長にも繋がります。
自社商品であれば、売上が思うように伸びなかった場合など、何度も社内で練り直しデザインを更新していくことが多くあります。
練り直した結果、成功した場合は何とも言えない喜びを感じることも。
デザイン以外の仕事にも携われやすい
制作会社の場合は、デザイナーとして入社したらほぼデザイナーの業務に従事することが多いのですが、インハウスデザイナーは希望すればコーディングやプログラミング、マーケティングやマネージャーなどの業務にも携われる事もあり、そこからそのまま他の業務がメインとなる人もいます。
(希望しなくても人手が足りない時は、兼務する事も)
実際、ボクもデザイン以外の業務を兼務する事もよくあります。
デザインだけではなく多様な仕事に携われる楽しみも持てたり、将来デザイン以外の仕事に就きたい人にとっては有利にもなります。
労働時間を自分で管理しやすい
制作会社はクライアントから仕事をいただくので、もちろん納期があり締切に追われがちです。
定時が過ぎても修正の依頼や急な仕事が入ってくる事もあります。
その点、インハウスデザイナーの場合は社内のデザインを担当するので、制作会社よりも時間の調整はしやすいでしょう。
忙しい時期もありますが、納期などの調整も比較的しやすいでしょう。
制作会社よりも比較的安定している
制作会社は、お客さん(クライアント)がいないと仕事が成り立ちませんが、自社企業であれば会社が存続する限り仕事はあります。
制作会社は仕事が入れば入るほど業績は伸びますが、その分仕事への負担は大きくなります。
一方、企業の場合は自社商品やサービスによって業績が変わるので、デザイナーの仕事にはそれほど影響を受けません。
企業が大きければ大きい程安定しているので、その分給与や待遇面、労働時間も制作会社よりも安定していると言えます。
インハウスデザイナーのデメリット
デザインの相談ができない
インハウスデザイナーは会社にもよりますが、デザイナーが他に居なかったり少ない場合もあります。
仮にデザインで悩んだ時、相談する相手がいなかったり、相談相手がそれほどデザインの事に詳しくない可能性も有り得ます。
そういう時は自分で解決するしかないので解決まで、時間を要する事もあります。
デザインのスキルが上がりづらい
デザイン会社ではないので、上と同じくデザイナー数が少ないことが影響してきます。
デザイナーが少なくてもスキルがある同僚や先輩などがいれば別ですが、少ない分そういった人材がいる方が少ないでしょう。
実際ボクの経験上、制作会社の方が優れたデザイナーが多かったイメージがあります。
良いデザイナーから習う方が、スキルアップも早いですからね。
また、デザイン以外の業務を兼務することもあるので、制作会社に比べてデザインに集中するのが難しくなります。
しかも、いろんな業種のデザインを担当する訳ではないのでデザインがワンパターンになりがちです。
デザイン以外の業務も任せられる場合もある
メリットとは反対になりますが、デザインにしかやりたくない人にとってはデザイン以外の業務をまかせれるのは苦痛になる場合も。
「出荷作業」や「運搬作業」など制作会社ではまずあり得ない仕事や、電話での「カスタマー対応」などデザイナーが苦手としている作業をする事もあります。
実際、デザインをやりたくて入っても違う業務ばかりを任されられて辞めていく人を見ることが何度かありましたね。
デザインのテイストが固まりがち
自社企業のデザインをずっと手掛けるので、デザインのテイストが固定されがちです。
制作会社であればいろんなクライアントから仕事の依頼がくるので、いろんなテイストのデザインに取り組む事ができますが、インハウスデザイナーしかやってこなかった人にとっては他のテイストのデザインをする柔軟性がないので、インハウスデザイナーから制作会社に転職する際は不利になる可能性も有り得ます。
他の部署の人よりも残業が多いことも
制作会社ではないので、もちろんデザイナーなどのクリエイティブ系以外の部署の人も多くいます。
デザインなどの制作には時間を要する事もあるので、経験上明らかに他の部署よりも残業が多くなったりします。
大きい会社であれば、部署毎に部屋が分かれてたりしますが、それほど大きくない会社だとワンフロアに全部署の人間がいるので、みんなが帰っているのを横目に残業する事もありストレスがたまる事もあります。
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インハウスデザイナーは実務未経験者でもなれる?

では「インハウスデザイナーは初心者でもなれるのか?」という事ですが、よくインハウスデザイナーは初心者では厳しいと言われます。
しかしながら、全くそういう事はありません。
デザイナーが他にいない会社であればもちろん厳しいでしょうが、求人の中にはよく「実務未経験OK」という会社も見ますし、初心者の人にはそれなりの簡単な仕事から任せられるので安心しましょう。
またデザインのテイストがほぼ固定されているので、一度コツを掴んでしまえばデザインに慣れやすくなります。
ただ、制作会社に比べたら即戦力を求めている会社が多いので、ある程度制作会社で経験を積んでから入社する方が自信が持てるでしょう。
ボクがおすすめる転職サイトは以下になります。
登録は無料です。
おすすめ転職サイト
■転職業界大手のエージェントサービス、転職の相談までしっかりサポート
■ リクルートが運営する既卒・フリーター向けの就職相談(求人紹介)サービス
■ 国内大手、外資系、海外進出企業など業界屈指の豊富な求人数で転職をサポート
結局、インハウスと制作会社はどっちがいいの?

これは結局、将来自分がどうなりたいかによって変わってくると思います。
将来的にデザイン以外の分野にも自分の可能性を広げたいと思えばインハウスデザイナーになるのは近道だと思います。
とにかくデザインだけの世界で頑張っていきたいと思えば制作会社にいる方がやりやすいでしょう。
メリットの所でも書きましたが、給与面などの待遇を考えるとインハウスデザイナーの場合は制作会社のデザイナーよりも自社に業績に左右されやすいので業績が好調であれば制作会社よりも待遇は良いでしょう。
ボクも制作会社では考えられない昇給や賞与を得たことがありました。
結果、安定や他職種へも視野を広げたいのであればインハウスデザイナー、スキルアップ、デザイナーとしての独立を考えているのであれば制作会社のデザイナーの方が良いと思いますよ。
■インハウスデザイナー、制作会社のデザイナーそれぞれオススメの方は?
- インハウスデザイナー・・・安定を求める、他職種へも興味、プライベートの充実など
- 制作会社のデザイナー・・・デザイナーとしてのスキルアップ、デザイナー同士の繋がりを強めたい、独立を考えているなど
ただ現在は転職が当たり前になっている時代なので、途中で将来に対する考えが変わったりすればその時点で変える事も可能だし、制作会社を経験してからインハウスデザイナーになればインハウスしかやってこなかった人よりも柔軟性がありスキルもあるからやりやすいでしょうね。
逆も然りで、ある程度の経験を積んで自分なりにやれるとこまでやった結果、制作会社のデザイナーを目指すのもいいかと思いますよ。
以前よりもインハウスデザイナーの需要は増えているので、求人数も制作会社と変わらないぐらい増えています。
なりたいと思った方は積極的に応募してみてはいかがでしょうか?


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